『静岡新聞』2008年10月1日付

静大、県大、東海大が協定 大学院で単位互換など


静岡市内にキャンパスを持つ静岡大、県立大、東海大の国公私立3大学が30日、大学院での単位互換と学術交流に取り組む協定を締結した。生命・環境分野をテーマに静岡発のユニークな大学院教育の展開を目指す。将来的には「富士山」「駿河湾」など、静岡ならではの地域特性を生かした包括的な共同研究も手掛けたいという。

生命・環境分野をテーマとしたのは、各大学がそれぞれ専門教育、研究を進めてきた領域である上、県中・東部が全国有数の食品、化学、薬品など関連産業の集積があるため。協定により各大学院生は関連分野の大学院研究科の授業を自由に履修できる。研究施設や機器の相互利用、試料収集などの学術交流も進める。

3大学の学長は同市内のホテルで行った調印式で、連携強化の抱負を語った。静大の興直孝学長は「静岡に拠点を置きながらの国公私立のプログラム展開は、東京でも十分売りになる」、県立大の西垣克学長は「静岡でないとできない学術研究を進め、ローカルからグローバルに発信していきたい」、東海大の松前達郎総長兼学長は「海洋学部に代表される、われわれ独特の力を生かした交流を今後、提案していく」とそれぞれ述べた。