『琉球新報』2008年10月3日付

沖縄研究の国際拠点に 琉大に「国際沖縄研究所」創設


琉球大学(岩政輝男学長)が同大内に「国際沖縄研究所(仮称)」を創設することが2日、分かった。同大に既存のアメリカ研究センター、移民研究センター、アジア太平洋島しょ研究センターの3センターを統合・拡充する形で、琉球・沖縄研究の国際的拠点の構築を目指す考えだ。本格始動は2009年4月となる見通しで、14日に、連携する米ハワイ大学のデビッド・マクレン学長らが来沖し、設置式などを行う予定だ。ハワイ大は今年7月、同大内に沖縄研究センターを開設している。

国際沖縄研究所の設置は、既存3センターの研究成果や特色を生かしつつ、組織を強化し、窓口を一本化することで、国内外の大学や研究機関との連携を円滑に進めるのが狙い。

具体的な研究内容等は今後決定するが、アジア、太平洋、南北アメリカなど、沖縄と歴史的、文化的につながりが深い地域とのかかわりを視野に、同地域の大学や研究者と連携し、歴史や文学、言語、環境、経済など総合的に研究を進める考え。

また、県内外の大学や学芸員など、外部の専門家らによる「研究者コミュニティー」を設置する予定。設置準備を進めている大城肇副学長は「第三者の意見も取り入れながら、開かれた形で琉球・沖縄研究を充実させたい」と強調した。
(佐藤ひろこ)