時事通信配信記事 2008年9月30日付

法科大学院「定員縮小を」=司法試験不振校


法科大学院での教育向上を検討している中央教育審議会の法科大学院特別委員会は30日、司法試験の合格状況が低迷する大学院などに入学定員見直しの検討を求める改善対策案を審議し、大筋で了承した。対策案は他校との統合も促し、「全体の定員が縮小され、修了者が相当の割合で法曹資格を取得できるようになれば、優秀な志望者の入学促進につながる」としている。

74校ある法科大学院では定員割れが相次いでいる。また、修了者が対象の新司法試験の合格率は、制度設計当初は7−8割を想定していたが、今年度実績は33%まで低下。合格者ゼロも3校あった。今後、再編圧力が強まりそうだ。

改善対策案は、定員見直しを検討すべき大学院として、修了者の多くが司法試験に合格しない状況が続く▽教員数を確保できない▽志願倍率が低い−を例示。特に地方校、小規模校には、教育水準に懸念が生じている場合には他校との統合などを模索するよう求めている。

入試の1次試験に当たる「適性試験」を2機関が実施している現状については、一本化を図る必要があると指摘。点数の低い志願者を入学させないよう、統一的な最低基準の設定も検討課題に挙げた。

一方、学部教員との兼任者を大学院の専任教員として数えることを認めた2013年度までの「ダブルカウント措置」は、延長しないよう提言。約8割の大学院が「基本科目の専任教員の確保が困難」と考えているが、4月に計312人いたダブルカウント教員は「早めに解消することが望まれる」とした。