『福井新聞』2008年9月12日付

法人化元年8800万黒字 県立大07年度決算


県立大と福井大は11日、2007年度の決算を発表した。公立大学法人化して初の決算となる県立大は、外部研究資金の獲得や経費節減に積極的に取り組んだ結果、当期総利益は約8800万円と初年度から黒字となった。福井大も法人化以降、4年連続の黒字だった。

県立大の経常収益(収入)は、県からの運営費交付金26億3100万円を柱に37億8300万円。国からの受託研究や企業との共同研究など外部研究資金は約8400万円で、前年度に比べて約1900万円増えた。経常費用(支出)は36億9600万円で、教員人件費17億5200万円、研究経費4億4100万円などだった。

法人化1年目の決算が黒字となったことについて、県立大側は「外部研究資金の獲得に力を入れ、学部別予算制度で光熱費などの経費節減に努めた表れ」としている。

同日、県が発表した県立大の07年度業務実績評価書によると、同大評価委員会が中期計画の「重点項目」26項目を審査した結果、「特筆すべき進行状況(S)」が2項目、「計画通り進んでいる(A)」が23項目、「やや遅れている(B)」が1項目だった。

法人化4年目となった福井大の決算は、当期総利益が約12億8000万円。医学部附属病院関係の償還金などを除いた実質的な利益は、前年度比約2000万円減の約2億6000万円だった。

経常収益は約259億3000万円で、約5億8000万円増。附属病院の収益が入院・外来患者の増加などで約14億4000万円増の117億1000万円だった。経常費用は約3000万円減の約246億8000万円。

同大財務課は、国からの運営費交付金が削減される中で、病院の収入アップに努め、経費節減を図ったことが前年並みの利益確保につながったとみている。