『北海道新聞』2008年9月7日付

室蘭工大学長選 現職の松岡氏と名誉教授の佐藤氏、一騎打ちの様相


松岡健一学長(68)の任期満了に伴う室蘭工大の学長選は、候補五人から当選者一人を選ぶ意向投票が八日に行われる。二〇〇九年度の学科再編を主導してきた現職と、「議論が十分にされないまま再編が決定した」と主張する元副学長の佐藤一彦名誉教授(65)の一騎打ちの様相。再編議論を火種に、選挙戦が熱を帯びてきた。

二氏以外の候補は、伊藤秀範教授(56)、岸徳光理事(58)、杉山弘教授(64)。伊藤氏はいち早く佐藤氏支持を表明。岸氏は土木の研究分野で松岡氏と師弟関係にあり、学科再編をともに進めてきた仲。最終的には松岡氏支持に回ると見られる。杉山氏への支持は松岡、佐藤両氏に比べ少ないとみられる。

争点となっている学科再編は、従来の六学科を四学科にするもの。これに対し「情報電子工学系学科」として統合された情報、電気電子の教職員の間には不満がくすぶっている。また、二つの学科に分類された材料物性からも反発が出ている。

ただ、これらの学科の中にも「再編は決定済み。主導してきた松岡氏に今後も任せるのが筋だ」との主張があり、再編への不満がそのまま佐藤氏支持に流れるかは未知数だ。残る三学科のうち建設システムは松岡氏、機械システムは杉山氏の基盤。応用化学、共通講座の動向は不透明だ。

意向投票では、投票総数の過半数を得た候補が当選し、十二日の学長選考会の最終選考を経て正式に決定する。任期は二〇〇九年四月一日から六年。