『読売新聞』2008年9月15日付

島大・鳥大・神大・兵庫医科大…若手医師確保へ相互交流


10月にも開始

島根大医学部と鳥取、神戸両大医学部、兵庫医科大の研修医が互いの大学病院で研修できる「山陰と阪神を結ぶ医療人養成プログラム」が10月にもスタートする。若手医師確保のため、各大学の得意分野を学べる魅力ある研修プログラムでアピールしようと各大学が協力して企画し、文部科学省の選定を受けた。

2004年度の医療制度改革以降、地方の大学病院から研修医が流出している問題を受け、文科省は今年度から複数の大学病院が連携し、それぞれの得意分野を生かして研修できる「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」をスタート。全国から28件の応募があり、4大学のものなど19件が選定された。

心臓外科に強い神戸大、脳卒中など神経内科が得意な島根大など、それぞれに得意分野がある。大学の壁を超えることで、より高度な専門医や研究者を育てるのが狙いで、他大学では1か月から1年程度の研修を受ける。例えば内分泌内科(糖尿病重点)専門医コースは、島根大病院で1年間研修した研修医が、県内の糖尿病症例の多い病院で研修した後、兵庫の糖尿病診療の拠点である神戸大病院に半年間勤め、島根大病院に戻る。

島根大医学部は毎年95人が卒業するが、卒業後も同大で研修を続ける人は2割以下という。小林祥泰・同大病院長は「この事業で大学に魅力を感じてもらい、卒業生の半数以上に残ってもらえれば」と期待している。