『日本経済新聞』北陸版2008年9月3日付

大学発VB、新たに4社 北陸3県の昨年度、医療関連目立つ


北陸3県で大学発ベンチャーの増加が続いている。経済産業省のまとめでは2007年度に福井、北陸先端科学技術大学院、富山の3大学で計4社が新たに設立、合計で44社に達した。先行組では他社との提携にこぎ着け事業化に動き出す例もある。ただ、設立から実際に収益を生み出すには課題も抱える。

07年度の設立で目立つのは医療関連企業。福井大発のファルマーコム(福井市)は新薬開発のスクリーニングに使う細胞などの生物材料を製薬会社に提供する。富山大発のパソロジー研究所(富山市)は病気を分類し、病気の原理を調べる病理検査機器の開発を目指す。

ジャイロテック(福井市)は福井大の遠赤外領域開発研究センターで開発した高出力光源が中核技術。工業技術専門商社の轟産業(同)と組み、核融合を起こす高周波の電磁波を発する装置を開発する。北陸先端大発のグリーンサイエンス・マテリアル(熊本市)は、吸水性の高い物質を使った応用製品の製造販売を目指す。九州の一部でしか見つからないラン藻で採れる物質をベースにする。