『読売新聞』群馬版2008年8月17日付

中小企業役立つ
博士群大工学部が育成事業文科省支援


群馬大工学部(桐生市天神町)は、中小企業の技術者の人材育成を目的とした新たなプログラム(博士、修士課程)が文部科学省の支援事業に採択されたと発表した。

「一社一博士創出プロジェクト」と銘打ったプログラムで、前橋工科大(前橋市)、足利工業大(栃木県足利市)と共同で10月に始める。化学、機械など幅広いものづくり分野が対象だ。

具体的には、群馬大大学院工学研究科内に「共同研究活用型ものづくりリーダー育成コース」を新設し、夜間も開講する。企業側が課題を持ち込んでの共同研究や、群馬大の提携する海外の大学などへの留学などを計画しており、「企業の役に立つ博士」の育成を目指す。

同大はまた、中国・大連市の大連理工大学と提携し、同大に「環境エネルギー新技術R&Dセンター」を設置したことも発表した。バイオマス(生物に由来する再生可能な資源)や環境保護の技術に強みを持つ群馬大と、省エネ分野で高い技術を誇る大連理工大との共同研究で、環境、エネルギー分野での新技術開発が目標だ。日中の各企業との産学連携も視野に入れている。

群馬大の宝田恭之工学部長は、「国際的な産学連携と研究を進め、優秀な人材の育成を図りたい」としている。