『室蘭民報』2008年8月19日付

室工大大学院が原子力コース開設、専門家を育成


室蘭工業大学(松岡健一学長)は平成22年度から、原子力発電の専門家を育成する専門コースを大学院に開設する。原子力など発電プラント部材で世界有数のシェアを持つ日鋼室蘭製作所と連携し、原子力分野の人材育成拠点としての地位確立を狙う。大学の生き残り策として特色の1つに育てる。

改組予定の大学院博士前期課程機械システム・材料工学系専攻内に「エネルギー材料工学コース(仮称)」を設置、独自の専門教育課程として自立させる計画。定員は最大で10人程度を予定。コース開設に先立ちプレスクールを今月18日から12月22日まで開く。

プレスクールは、経産省の原子力人材育成プログラム事業(原子力教育支援プログラム)の採択を受けて事業化した。講師は室工大教員はじめ日鋼室蘭製作所や室工大と学術交流協定を結ぶ武蔵工大(東京)から招へいする。

講義は2群計8科目で構成。集中講義や実験、実習形式で進める。大学院博士前期課程材料物性工学専攻1年の6人と日鋼室蘭の社会人1人の計7人が学ぶ。

岸徳光理事(研究・社会連携担当)は18日に開いた同スクールの開講式で「人材輩出という点で地域貢献したい」と力を込めた。日鋼室蘭の村井悦夫副所長は「第一線の技術者として活躍できる人材育成を期待している」などと語った。
(野村英史)