『読売新聞』2008年8月20日付

カーエレクトロニクス人材育成、北九州に3大学院新設へ


北九州市立大(北九州市小倉南区)と九州工業大(同市戸畑区)、早稲田大(東京)は19日、同市若松区の「北九州学術研究都市」に開設しているそれぞれの大学院に、カーエレクトロニクス分野専門の修士課程(3年間)を来年4月に新設すると発表した。3大学院が連携し、どの大学院でも単位を取れるのが特徴となっている。

発表によると、各大学院の教授に加え、自動車、半導体メーカーの技術者らを外部から講師として招き、自動車の制御に用いる電子工学や大規模集積回路、コンピューターのソフトウエアに関する知識や技術などを教える。定員は3大学院で計約20人。カーエレクトロニクス専門の大学院は全国的に珍しいという。

この3大学院構想は同日、大学間の連携を促して施設や教員陣を有効活用する文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に選ばれ、1億円の助成を受けることが決まった。助成金は講師の人件費などに充てられる見通し。

北部九州にはトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)や日産自動車九州工場(同県苅田町)などの自動車産業が集積している。北九州市産業経済局の片山憲一局長は「今後、需要が高まる自動車産業の人材育成に貢献し、地元経済の活性化につながる」と期待している。