『東京新聞』2008年8月9日付

筑波大と連携協定締結へ 大子町 廃校利用の『学者村』構想も


大子町は、町づくりなどの分野で支援を受けるため、筑波大と連携協定を結ぶことで合意した。大学が持つ専門的知識を、地域資源の再発見に役立てる。町は廃校となった小中学校に退官した研究者らが集う「学者村」構想も掲げており、町と筑波大は二〇一一年度までに協定を締結する予定。町は「過疎地で高齢化が進んでいるが、若者が住めるような地域を目指し、人材育成を図りたい」と話している。

筑波大が県内の自治体と連携協定を結ぶのは、県、つくば市についで三カ所目。町はこれまでも、中心部の活性化で、同大の支援を受けた経緯がある。

本年度の事業としては、今秋の袋田の滝・新観瀑(ばく)台完成に合わせ、旅館業や土産店の若手経営者らを募り、同大教授による研修会を開催。観光資源や特産品の再発掘につなげ、町の将来を担う人材を育てる。

町が今回の協定で最も力を注ぐのは奥久慈茶のブランド化。茶の栽培の北限地で、茶もみ全国コンテストでは生産者が毎回のように上位入選するが、知名度不足のため、同大の研究施設を利用して茶の成分を分析し、効能などをアピールする。

「学者村」構想では、大学を退職した教官が所有する研究書などを集めた蔵書館を建設し、町民に開放。若手研究者らがキャンパスから離れた環境で、新しい発想の転換ができるよう役立ててもらう。 (原田拓哉)