『琉球新報』2008年8月5日付

琉大 専門医育成で新制度


琉球大学(岩政輝男学長)は2009年4月から、全国28大学や県内外の約50の医療機関と連携して、より高度な技術や知識を持つ専門医と臨床研究医を養成する研修プログラム「多極連携型専門医・臨床研究医育成事業」を始める。須加原一博琉大医学部付属病院院長は、魅力ある研修プログラムを構築することで、初期臨床研修医の県外流出を食い止め、将来的には「離島など地域医療への貢献につなげたい」と期待を込めた。

研修プログラムは、文部科学省の「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」として選定された。5年間の継続事業で総予算は約4億6000万円。4日に同大で岩政学長らが記者発表した。

県内では従来、全国的に人気が高く、年間約150人の人材が集まる初期臨床研修を終えた後、専門医の取得を目指す優秀な人材が県外に流出することが課題の一つだった。

プログラムでは、医師が琉球大学に所属しながら、希望する医療機関でより高度で専門的な医療を習得することができる。同大では「研修医の大学病院離れ」も食い止めたい考えだ。

10月にも大学付属病院内に後期研修センターを設置。さらに既存の臨床研究支援センターを拡充し、プログラムを円滑に進めるための体制づくりを行う。地域への専門医派遣を支援する地域医療支援センターや、女性医師の復帰支援などを行うセンターの設立も予定されている。