『沖縄タイムス』2008年8月5日付

専門医 県内で育成/琉大附属病院


質の高い専門医の養成を目指し、琉球大学医学部・附属病院は臨床研修者向けの研修プログラム「多極連携型専門医・臨床研究医育成事業」を二〇〇九年度からスタートする。文部科学省が支援する「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」の一環。

医学部卒業後、初期研修を終えた医師が同大の附属病院に所属し、他大学や病院などで一―二年間専門医療を学ぶ。

琉大附属病院など県内の病院は、全国から年間約百五十人の臨床研修医を受け入れており、人口比では全国で最も高い。

ただ、約二年間の初期研修後、四割は県外で専門医研修を受けるため、県内での専門医養成が課題だった。

同プログラムは他大学との連携強化など百二十七項目の取り組みを展開し、専門医研修を充実するほか、医療のレベルアップとともに、地域医療に貢献する人材を育成する。

五年間で総予算約四億五千万円をかけ、(1)インターネット会議・カンファレンスシステムの構築(2)臨床研究医育成のシンポジウム(3)女性医師の復帰支援や出産、育児のキャリア継続を支援するセンター設立―などを目指す。

同大医学部の大屋祐輔准教授は「他大学や地域病院の得意分野を学ぶことで、レベルの高い専門医養成ができる」と強調。

佐藤良也医学部長は「離島医療を担う医者を養成するセクションをつくるなど、医学部の教育を包括的に進めるよう努めたい」と語った。