『河北新報』2008年8月5日付

若手研究者に経済支援 東北大大学院医学研究科


東北大大学院医学系研究科は来年度、医学部在学中から大学院で研究できる特別進学制度「MD―PhDコース」を拡充し、経済支援を導入する。研究に専念できる環境を整え、優秀な人材を早期に確保するのが狙い。

同コースは医学の基礎研究に携わる若手研究者を養成しようと、01年度に設けた。全国17の大学に同様のコースがあるが、経済的な支援制度を盛り込むのは初めて。

医学部の4年または5年を終えた時点で大学院に進学。3年以上の大学院教育を受けて医学博士の学位を取得し、医学部に復学する。希望によっては復学せずに研究を続けることも可能。

具体的な支援策として、大学院の受験料(3万円)と入学金(28万円)の同額を本人に還元するほか、大学院在学中と医学部復学後に最低月額5万円を支給する。

医学生には04年度から、卒業後2年間の初期臨床研修が義務付けられ、大学院進学者の平均年齢が上昇した。医学系研究科は「大学院進学の遅れは医学研究の土台を揺るがしかねない」と問題視している。

山本雅之医学系研究科長は「柔軟性のある若いうちに研究生活を始める意義は大きい。年5人程度を目標に、東北大の屋台骨となる人材を育てたい」と話している。