『日本経済新聞』東北版2008年8月6日付

東海理化と山形大、包括協力協定 自動車部品開発目指す


山形大学(結城章夫学長)と自動車用スイッチ大手、東海理化は6日、包括協力協定を締結する。同大理工学研究科の若手研究者を対象に具体的な研究案件を募り、東海理化が研究費を助成する仕組み。特定案件の下での産学連携は数多いが、一私企業が1つの研究科にターゲットを絞った公募型の産学連携は全国的にも珍しいという。

協定のテーマは「自動車部品開発および新規事業領域」。通常の共同研究と異なり、大学の研究者側から中長期的な視点で戦略的研究テーマを募る。協定調印に先立ち、初年度の公募は既に実施。10人の研究者が応募し、審査の上、5件の研究テーマが決まった。

「企業秘密にかかわる」(山形大)として具体的なテーマは明かしていないが、車間距離を検知して事故を未然に防ぐ自動車用センサー、軽くて強いだけでなく環境にも優しい新材料、高齢者も安心して運転できる新機能などが想定される。