時事通信配信記事 2008年8月3日付

国立大、人件費606億円圧縮


国立大学法人と大学共同利用機関法人の計90法人が2007年度に支払った人件費の合計は、05年度予算額より606億円(6.0%)少ない9362億円だったことが3日、文部科学省のまとめで分かった。行政改革推進法は10年度までの5年間で5%以上の削減を定めているが、これを上回るペースとなった。

国立大をめぐっては、政府は人件費などに充てる運営費交付金を毎年度1%ずつ減らしており、来年度には削減幅を3%まで拡大する方針。文科省は「各大学は既にぎりぎりの努力をしており、削減幅を拡大すれば教育研究に支障が出る」(高等教育局)として、予算確保に巻き返しを図る。

同省によると、人件費は常勤役職員の報酬、給与、賞与などの合計。給与水準を引き下げたり、退職者の後任補充を抑制したりして、前年度比では1.3%減となった。

ただし、研究プロジェクトごとに寄付金や受託研究費で雇う臨時職員らへ給与は、前年度比16.8%増の309億円増。団塊世代の大量退職に伴って退職金支払いも6.3%増の65億円増で、広義の人件費は1.5%増の218億円増となった。