『中日新聞』2008年8月1日付

《経済》 静岡大と愛知・豊橋技科大が 知財活用、共有へ連携強化


きょう、東海iNET発足

静岡大と豊橋技術科学大が中心となり、両大学が蓄積してきた知的財産のマネジメントや地元企業との連携を強化する「東海イノベーションネットワーク(東海iNET)」をつくる。1日に浜松市中区のアクトシティ浜松で発足式を開き、活動を本格化させる。

組織づくりは、文部科学省の産学官連携戦略展開事業に採択されたのを受けた取り組み。両大学は静岡県と愛知県東部の産業発展のために、地域の国公私立大や研究機関、自治体との密接な関係をつくり、各参加機関が持つ知的財産の活用と共有化を目指す。

事業には浜松医科大、静岡理工科大、静岡県立大、愛知大、豊橋創造大、愛知工科大も参加。産学官の連携のための情報を共有するほか地域の企業との連携も深め、大学での研究の事業化も進める。

静岡大では、企業と大学の間を取り持つコーディネーターの育成が重要だとしてトレーナー3人を採用した。豊橋技科大は農工商連携や医工連携といった異分野連合をさらに進め、事業化を図る役割を担う。

発足式には関係者約100人が参加。文科省が産学官連携戦略展開事業の概要を説明し、静岡大イノベーション研究開発センターの木村雅和センター長が構想を話す。

日本弁理士会の中島淳会長の「知財ビジネス支援人材を考える」と題した特別講演もある。