『毎日新聞』福島版2008年7月29日付

09年度予算:国立大運営交付金削減、福大が反対声明「教育の機会均等失う」


福島大は28日、09年度の国の概算要求基準で国立大の運営費交付金の削減幅が3%に拡大される方針に対し、緊急の反対声明を発表した。

国立大の運営費交付金は07、08年度に1%ずつ削減され、同大では各年度約3200万円が削減されたという。定年退職の教員を補充せず非常勤講師を充て、研究費を約4〜5割抑えるなどで対応してきたが、3%削減になると常勤教員の補充が難しく教材費など学生の自己負担が増える恐れがあるという。

声明文は「地域の人材育成機能が低下し、国の高等教育の成果を根底から崩壊させる」と批判している。会見した今野順夫学長は「地方では非常勤講師の確保が難しい。授業料を払えず大学をやめる学生がいる中で、負担増加により教育の機会均等が失われる」と語った。国立大学協会も既に、反対の声明を出している。【今井美津子】