時事通信配信記事 2008年7月24日付

奨学金の回収努力、不十分=財務省


財務省は24日、独立行政法人日本学生支援機構が大学生などに貸与する奨学金について、回収努力が不十分として運用改善を求めた。同省の調査によると、返済が滞った場合に保証機関が債務を肩代わりする制度を利用しないことによって、延滞となっている債権が今年2月時点で797件、10億2100万円に上っていた。

同機構の奨学金には、将来返済が困難になった場合に備え、債務者が一定の保証料を支払うことを条件に、財団法人日本国際教育支援協会の代位弁済制度がある。実際に返済が滞った場合は、機構が協会に債務の肩代わりを請求して、協会が奨学金の残額を返済。その後、改めて協会が奨学生に返済を求める。

財務省によると、2006年度の同制度の利用はわずか11件(700万円)にとどまる一方、機構が協会に肩代わりを請求していない事例が多く判明した。機構は債務者と連絡が取れなくなったことなどを理由に挙げているが、財務省は「債務者の監督が不十分」と結論付けた。