『福井新聞』2008年7月25日付

交付金削減で、見直し求め緊急声明 福井大学長


財務省が2009年度予算の概算要求基準(シーリング)で、国立大に対する運営費交付金の削減幅拡大を検討していることについて、福井大の福田優学長は24日、「教育研究機能に重大な支障をきたす」などとして見直しを求める緊急声明を発表した。

国が配分する運営費交付金は「骨太の方針2006」に基づき、毎年1%ずつ削減されているが、財務省は09年度シーリングから3%に拡大する方針を示している。同大に本年度配分された運営費交付金は約98億円で、3%削減されれば、約3億円の影響があるという。

声明では、3%削減で大学全体の教育研究の基盤経費に相当する資金が失われると指摘。さらに大学の教育研究機能の低下だけでなく、地域の経済成長の可能性を損ねると訴えている。

福井県庁で記者会見した福田学長は「教職員手当の一部凍結などで独自に予算を工面して進めている、原子力研究所の整備や教職大学院の運営、医師確保対策などが非常に困難になる」と強調した。

福田学長は同日、西川知事と面談。声明文を手渡し、財務省や文部科学省への働き掛けを要請した。知事は「大学は地方にとって学術、文化の拠点。国の考え方も聞かなければならないが、地元大学の意向は伝える」と話した。同大は今後、県選出国会議員にも協力を求める方針。