『日本経済新聞』2008年7月16日付

社会保障費、自然増8500億円超に 09年度、1000億円拡大


2009年度の社会保障費は、現行制度のままでは今年度より8500億円を超す伸びになる見通しとなった。高齢化で「自然増」は今年度を約1000億円上回る。福田康夫首相は15日、09年度予算の大枠となる概算要求基準(シーリング)について、社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針を了承したが、歳出膨張圧力が一段と高まる。

福田首相は首相官邸で、各省庁の予算要求の上限を定める概算要求基準の基本方針を巡り額賀福志郎財務相と協議。首相は財務省の方針を了承し、「財政再建と予算重点化の両立」を指示した。今年度の予算編成と同様に、社会保障費の伸びを2200億円抑制するほか公共事業関係費を3%、防衛関係費と国立大学運営費交付金・私学助成費をそれぞれ1%ずつ削減する。