『日本経済新聞』北陸版2008年7月19日付

富山大など23大学病院、専門医養成へ連携 地元定着狙う


富山大は福井大、高知大、長崎大など県外の22の大学病院と組み、高度医療に携わる専門医の育成に乗り出す。各大学病院が強みとする診療科で培った最先端の知識や技術を持ち寄って研修プログラムを構築。地方大学単独では育成が追いつかない高度医療の専門医を確保し、地域に定着させるのが狙い。

文部科学省が今年度、新規に取り組む「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」として18日、初認定を受けた。

内科、産科、小児科など、提携先の大学病院で特色ある診療を実施している医師とのネットワークを生かし、工夫された113の専門医養成コースを設ける。医師はそれぞれ、追求したいテーマに沿って診療研究を深めつつ、専門医としての活動領域を広げられる。

コースの中に大学院での臨床研修も取り込み、研修医の確保や地元での開業にもつなげる考え。富山大としては、その特色である和漢薬診療をはじめ「東西医学の統合」を、他県の提携病院に発信する好機とみている。