『山梨新聞』2008年7月16日付

工学・医学が連携し人間システム工学
山梨大大学院、検査機器など開発へ


山梨大は15日、来年度に大学院の医学工学総合教育部の修士課程に工学と医学を融合した「人間システム工学専攻」を設置すると発表した。工学部と医学部の教員による複数指導教員制をとり、患者に負担が少ない検査機器の開発などを進める。

同大によると、従来の「自然機能開発専攻」を発展的に改組。定員はほかの専攻から3人を補充して18人。(1)人為的災害に対するリスクマネジメント(2)脳波・心電・生体音響などの多次元信号処理(3)機器の設計・加工(4)音波やレーザー・紫外線などを用いた計測方法−などを組み合わせて学ぶ。

インターンシップを共通科目に組み込み、研究内容に沿った同大の共同研究企業や同大医学部で研修する。研修先では学生に企画発案をさせ、技術の社会還元を図る。

修了者は医学工学融合分野の博士課程への進学も可能。工学技術に医学知識を融合させた教育によって、介護機器や医療・診断機器、救急医療などの分野で活躍する人材育成も目指している。

同専攻の設置は工学、医学部の連携を進めてきた同大の強みを打ち出した格好で、博士課程を中心とした大学院への進学者の減少、学生の工学部離れに歯止めをかける狙いがある。他大学からの進学者確保にもつなげたい考え。