『毎日新聞』高知版2008年7月9日付

県立高知女子大:「工科大連携」知事は説明責任を 教授らの懇話会が提言書


◇「拙速」と提言書

県立高知女子大の再編・統合問題で、女子大の教授らでつくる「高知女子大学・高知短期大学の未来を考える懇話会」のメンバーが8日、大学の方向性などについて、十分な説明責任を果たすよう求める尾崎正直知事あての提言書を県に提出した。

尾崎知事が7日の県議会で「女子大と、公立大学法人化を目指す高知工科大との連携を視野に入れる」と述べたことに対し、提言書では「定員割れを起こしている工科大の運営の総括がされないまま、1法人2大学化が先にありきで議論を進めようとしていると考えられ、拙速だ」と主張。加えて「大学・短大全体のトータルデザインが不明確で、学生や県民の意見反映が不十分だ」と訴えている。

同会の代表世話人を務める女子大の田中きよむ教授は会見し、「県庁内にはプロジェクトチームがあるが、大学関係者は入っておらず、政策決定過程はブラックボックス。よりよい大学のためにオープンな議論を求めたい」と話していた。【服部陽】