『毎日新聞』東京版2008年7月11日付

産学連携:東京農工大と国民生活金融公庫が覚書


東京農工大産官学連携・知的財産センター(小金井市)と国民生活金融公庫の東京支店(中央区)、三鷹支店は10日、産学連携の協力に関する覚書を締結した。連携を深め、地元の中小企業への支援を充実させるのが目的。公庫は全国の21大学と覚書を締結しているが、都内の大学とこうした覚書を結ぶのは初めてという。

東京農工大では、03年に小金井キャンパスに起業家支援施設を開き、現在は14社が施設内で起業している。いずれも、大学の研究成果である生物科学や環境分野での技術をビジネスにつなげた。

今回の連携で公庫は、こうした起業家や地元の中小企業を対象に融資や事業のアドバイスを始めるほか、大学の研究者を企業に紹介していく。これまで、公庫には取引先の中小企業から技術的な相談先を紹介してほしいとの要望が寄せられていた。覚書の締結式で、千葉一裕・産官学連携・知的財産センター長は「地元に密着した企業を支援し、研究の社会的還元をしたい」と話していた。【山本太一】