時事通信配信記事 2008年7月1日付

数値目標明記せず=教育基本計画


政府は1日の閣議で、今後5〜10年間の教育政策の目標を定めた教育振興基本計画を決定した。焦点だった教育投資の規模と教職員定数に関する数値目標は、歳出削減路線との整合性を考慮し明記を見送った。重点政策として、幼児教育の無償化検討や福田康夫首相が掲げる「留学生30万人計画」の推進などを盛り込んだ。

同計画は、教育の成果目標として「世界トップの学力水準を目指す」と掲げた。しかし、歳出改革の方向性に配慮し、予算の拡充につながるような表現は最小限に抑えた。

文部科学省は、投資規模の数値目標について「国内総生産(GDP)比5%を上回る水準」を、教職員定数では「2万5000人程度の改善」の明記を目指したが、財務省などが難色を示し、最終的には「諸外国の教育投資の状況を参考にする」「定数のあり方について検討」などの表現にとどめた。

今後5年間で取り組むべき政策では約80項目を列挙。このうち、重点政策には幼児教育無償化の検討のほか、(1)道徳教材に対する国庫補助制度などの方策の検討(2)世界最高水準の教育研究拠点の形成(3)小中学校施設約1万棟の耐震化−を挙げた。