『秋田魁新報』2008年6月30日付

秋大に「総合医」講座、今秋にも開講へ 医師確保の呼び水に


秋田大医学部に、「総合医」(かかりつけ医)養成に向けた研究を行う県の寄付講座が開設される見通しとなった。医師確保総合対策の一つと位置づける県が、今秋の開設を目指し開会中の6月定例県議会に関連予算案1750万円を計上している。設置は2012年度までで、4年半で計1億5000万円余りを提供する考え。

総合医は臓器別の専門医と違い、患者の既往症や家庭環境を把握した上で、総合的な初期診療に当たり、専門的な治療が必要な場合は地域の中核的な総合病院などに紹介する役割を担う。

総合医の養成により、総合病院での軽症患者の受診抑制を図り、オーバーワーク状態にある病院勤務医の負担軽減や偏在と不足の解消、さらには医師の県内定着を目指す。高齢者が住み慣れた地域や家庭で適切な医療や介護サービスが受けられるよう、総合医を中心とした在宅ケアの基盤を整備する狙いもある。

講座名は「総合地域医療推進学講座」(仮称)。主なテーマは、▽総合医養成のためのシステム構築▽地域における保健・医療・福祉の連携▽都市と農村の医療資源の格差解消とマンパワーの適正配置に向けた調査研究—など。医学生のほか、卒後の研修医、開業医らの受講も想定している。