『北國新聞』2008年6月24日付

教員評価、10年度から試行 県立2大法人化 県が基本方針案


県立大と県立看護大の二〇一一(平成二十三)年四月の法人化に向け、県は二十三日までに法人化の基本方針案をまとめた。教育研究水準の維持向上を図るため、教員の人事制度では教育、研究、社会貢献活動の実績を適正に評価するシステムを構築し、一〇年四月から試行。報酬・給与面で、実績に応じた処遇を行うことも検討する。県によると現在、両大学では勤務評定制度は設けられていない。

基本方針案では、外部有識者を交えた検討委員会の提言を受け、法人化を具体的に進める上での骨格的な事項を定めた。

法人の形態は提言通り、一つの法人が両大学を運営する「一法人二大学」とした。法人の名称は「石川県公立大学法人」とする方向とし、法人本部はいずれかの大学に置く。

法人組織には、地方独立行政法人法に基づき、法人の経営に関する重要事項を審議する経営審議機関を設置し、役員会は役割が重複するため設けない。教育研究に関する重要事項を審議する法定の教育研究審議機関を両大に設置し、学校教育法の法定設置機関である教授会との役割分担も検討する。法定の学長選考機関も設ける。

教員の人事制度では、年俸制や任期制導入の要否も検討する。事務職員は当面は県からの派遣職員が主体となるが、経営戦略の企画立案など特に専門性の高いポストは独自採用のプロパー職員も検討するとした。定型的な業務は民間派遣会社の活用などで経費節減に努める。

目標評価制度では、地方独立行政法人法に基づき、知事は六年間に法人が達成すべき中期目標を策定し、法人は中期計画を策定する。法人の業務実績を評価する委員会も設ける。

県からの運営費交付金に関しては、法人化後の教育研究や改革意欲に支障を及ぼすことのないよう所要の交付金を交付する。原則として、法人の経営状況により、中期目標期間中は当初に定めた交付金の算定ルールを変更しないことも盛り込んでいる。