『中日新聞』2008年6月26日付

三重大にベンチャー支援研究室 百五銀などとタッグ


三重大(津市)は野村証券(東京)や百五銀行(津市)と手を組んで、ベンチャー企業の成長を支援する「野村証券・百五銀行・創業革新プロジェクト研究室」を7月に学内に開設することになった。同大で25日、3者が協定書に調印した。国立大学法人が民間企業と企業支援に取り組むのは全国初という。

新しいベンチャー企業ができても、なかなか軌道に乗らず業績が伸びていかない実情から、どうしたら成長できるかを共同研究し、具体化するのが狙い。将来的に上場企業になるような基盤作りを支えるという。

研究室は県内で成長が期待できるベンチャー企業を発掘し、新たな製品開発や販路拡大策などのプロジェクトを個々に設ける。野村証券や百五銀行は提携企業の紹介や経営のアドバイスをし、同大は研究開発の場やスタッフを提供する。

支援する業種は医療やバイオテクノロジーなどの分野が中心。既に県内の4社が対象に上がっていて、2社程度を先行して取り組みたいという。研究資金などは野村証券と百五銀行が年間計500万円を援助する。

研究室の事務局を務める同大医学部産学連携医学研究推進機構の西村訓弘教授は「有望な企業をじっくり育てて成功例を積み上げ、いずれは全国に波及して『三重に来れば何かできる』という企業が県内に集積するようになれば」としている。

 (神田要一)