『読売新聞』山梨版2008年6月24日付

山梨大が生命科学で早大と連携


山梨大は、早稲田大と生命科学分野で連携し、研究推進を図ることを決めた。すでに両大の間で協定を締結しており、国公私立大学間の連携を推進する文部科学省の新事業「戦略的大学連携支援事業」にも申請した。今後、両大院生の共同研究や相互交流などを進め、共同大学院の2014年度開校を目指す。

山梨大の医学と、早稲田大の理工学を融合し、「脳神経科学」「精神発達学」「感染免疫学」の3分野の研究を推進するほか、医学、理工学に精通した国際的研究者を養成する。また、教職員の人事交流や共同研修も行い、教職員のスキルアップも図る。

そのほか、山梨大は医学分野で県、甲州市、山梨市などの支援を得て、研究に必要な住民の健康情報の提供を受ける。一方、早稲田大は理工学分野で企業の協力などを受け、海外大学からの講師派遣なども行う。

共同大学院の設置を目指し、10年度までに、両大の院生の単位互換制度や設備の共同利用、教員の共同研修、遠隔講義システムの運用などを実施する計画だ。同省の新事業に採択されれば、3年間、国からの支援を受けられる。採択の可否は8月中旬に発表されるという。両大は互いの強みを生かすことで新分野の開拓、医療の発展につながると判断、昨秋から具体的作業を進めてきた。山梨大の貫井英明学長は「優れた人材を育て、医療や研究の向上につなげたい」と話している。