『高知新聞』2008年6月25日付

相良氏の学長任命「違法」
高知大名誉教授 取り消し求め国提訴


昨年の高知大学の学長選考で、相良祐輔現学長の対立候補だった高橋正征氏=同大名誉教授=と、相良氏の再任を決めた学長選考会議委員の1人だった根小田渡氏=同=が24日、国に相良氏の学長任命を「違法」として、任命取り消しを求める行政訴訟を高知地裁に起こした。

同大の学長選考をめぐっては、昨年10月の学内意向投票で二通りの得票数が確認されたにもかかわらず、選考会議は相良氏の再任を決め、2月末には同大が文部科学省に同氏の任命を上申。同省は4月1日付で任命した。

訴状によると、選考会議の決定を「重大な手続き違背で、違法・無効である」と指摘。さらに高橋氏が3月3日付で渡海紀三郎文科相に一連の経緯を記した内容証明郵便を送り、相良氏任命を求める同大の申し出を受理しないよう要請していたことから、「被告(国)は相良氏を学長に任命することを拒否する義務を負っていた。にもかかわらず、任命した処分は違法であり、取り消しを免れない」などとしている。

取材に対し、同省は「訴状が届いていないのでコメントのしようがない」としている。(広末智子)