『毎日新聞』高知版2008年6月24日付

高知大学長選不正:行政訴訟提起へ 正式任命で民事取り下げ


昨年10月の高知大学長選考で不正があったとして同大学に対し相良祐輔学長を選んだ選考の無効確認を求める民事訴訟を高知地裁に起こしていた対立候補の高橋正征・同大学大学院教授(当時)らは23日、訴えを取り下げた。文部科学省が4月1日付で相良氏を正式に学長に任命したためで、教授らは改めて国に対して任命行為の取り消しを求める行政訴訟を同地裁に起こす方針。

原告側は「相良学長が国に任命されたことで、大学を訴えても無意味とみなされ、裁判打ち切りの可能性がある。裁判という場で今後も学長選考の過程を明らかにしていくためには、別に国に対する訴訟を起こす必要がある」と話している。

高橋教授らは昨年12月、選考の参考となる「学内意向投票」で票のすり替えなどの不正があったとして、窃盗と偽計業務妨害容疑で被疑者不詳のまま高知地検に刑事告発。同地検は窃盗容疑を公用文書毀棄容疑に変更させて受理している。【千脇康平】