『山形新聞』2008年6月20日付

生き残りをかけ改革協力 山形大と立命館大が包括協定


山形大と立命館大(京都)は19日、教育の質の向上などを目指した包括的協力協定を東京都内で締結した。当面は、学生や職員の交流などを深め、両大がそれぞれに持つ特性を相互に学びながら大学づくりに反映させる。

今後は、両大の学長が、相手の大学でそれぞれ講演を行うほか、数日間の期間で学生を相互に派遣。相手の大学の講義を受けたり、討論する機会を設ける。また、職員同士が交流する場も設け、大学全入時代に即した新しい大学経営の在り方などについて意見を交換。将来的には単位の互換制度の導入を検討する。

東京・丸の内の立命館東京キャンパスで行われた締結式で、山形大の結城章夫学長は、現在の大学経営の現状について「大学が学生を選抜するのではなく、学生が大学を選択する時代になった」と述べ、「大学は不断の改革努力を重ね、生き残りをかけて特色を出していく必要がある」と強調。「各大学が孤立して競争するのではなく、相互に連携することが大切」と、締結の意義を語った。

立命館大の川口清史学長は大学間の連携の重要性について「大学改革の焦点は教育。教育の質をどう高めていくか、というテーマについては個別の大学だけではできない」と述べた。

また、両学長は、国立大学法人(山形大)と私学(立命館大)、山形と京都という「異質性」を強調。「学生を主役とした大学づくりという点で一致している」と述べ、結城学長は「山形大は官の文化を引きずっている。私学の経営を学び、職員の意識改革も図りたい」、川口学長は「改革は国立大学法人の方が進んでいる。地域に根差した大学という点で、大規模私学である立命館とはきっと違い、それらも学んでいきたい」と、それぞれ語った。