『毎日新聞』秋田版2008年6月13日付

かかりつけ医:育成へ、秋田大医学部に寄付講座 県が関連予算案提出へ


具合の悪い人がまず訪れる地域診療の窓口「かかりつけ医」を育成しようと、県は秋田大医学部に寄付講座を設けることになった。関連予算案を6月議会に提出する。

県医師確保対策推進チームによると、秋田大に担当教授や準教授計3人を配置して10月に講座を開設。地域医療や家庭医学を指導するほか、農村部などの診療所での実習も予定している。学生に加え、現役の医師向けのプログラムも用意する。

また、かかりつけ医と医療機関の連携のあり方についても検討を進める。

かかりつけ医の役割は、主に開業医が担う。患者の既往症などを知ったうえで症状を見極めて適切な処置をするほか、必要な場合は専門的な治療をする病院を紹介する。このため、診療科以外の幅広い知識が求められる。

県によると、かかりつけ医は地域の人たちにとって症状が悪化する前に体調について気軽に相談できる場となる。また多忙を極める総合病院の混雑緩和への期待もある。

同チームの保坂学リーダーは「高齢者が増えていくなかで、医師不足対策と地域医療の充実を進めることができる」と話している。【馬場直子】