『産経新聞』2008年6月11日付

産学官で共同研究推進、三重大が伊賀で拠点施設の起工式


産学官の連携による「三重大学研究拠点」(仮称)の起工式が10日、伊賀市ゆめが丘1丁目の建設予定地で行われた。三重大学と民間企業がバイオテクノロジー(生物工学)などの共同研究を進める拠点施設で、来年3月に完成し4月から運用を開始する予定。

同大学にとっては、初めて学外に設ける産学官連携の研究拠点。同市は当初、平成19年度事業として建設計画を立てたが、昨年6月に施行された企業立地促進法に基づき、事業主体を財団法人・市文化都市協会に切り替えて国庫補助による事業化を申請。20年度での建設となった。

開設に向けて同市などは今後、「地域の産業おこしにつなげてもらいたい」として、共同研究の可能な企業を募ることにしている。

拠点施設は、鉄骨3階建て延べ約1400平方メートル。研究室7室と、企業が使うインキュベーション室5室を設置。別棟に栽培実験などに活用する温室などを整備する。用地は、市が予定していた高等教育施設用地を活用。総事業費約4億2500万円のうち、国から約2分の1の補助金を得て建設する。

起工式には関係者約45人が出席し、くわ入れなどをして工事の無事を祈願した。同大学の豊田長康学長は「大学として感慨深いものがある。地域と密着できる出先機関として、地域の人々とフェースツーフェースの連携をしていきたい」と語った。