『福井新聞』2008年6月12日付

県内8大学、短大、高専 連携強化へ推進会議


県内8つの大学、短大、高専と県のトップ懇談会が11日、県庁で開かれた。各校が共同で取り組む地域貢献活動を支援する「大学連携リーグ」事業の強化に向け、実務者レベルの推進会議を新設することを決めた。早ければ今月中にも立ち上げる方針で、教育・研究機能の充実や経営基盤強化を目指し、新たな連携策を検討する。

2007年度に始まった同事業は、各校が連携して研究・技術レベル向上や人材育成を図ることが狙い。共同研究や小中高校での授業、県民向けの生涯学習講座などを実施している。

推進会議の設置は、少子化による大学入学者の減少など厳しい環境を踏まえ、県側が提案した。教員同士の授業参観交流や社会人対象講座での地域貢献、学生や外部資金確保に向けた合同説明会などの連携策を例に、各校の教員らが内容や課題を話し合う。

懇談会には8校の学長、理事長、校長と西川知事が出席した。学校側からは「社会人講座はニーズがなければ成り立たず、実施前に企業などの需要調査が必要」(県立大・祖田修学長)、「学生の質の変化が大問題で、レベルを上げるために高校との連携が重要になる」(福井大・福田優学長)などの意見が出た。

知事は各校に主体的な取り組みを求めた上で、「連携の議論をできるだけオープンにし、県全体で学校や学生をサポートする地域だということを分かってもらわなければならない」と話した。

また、各校が県内外の大学、研究機関などと取り組む共同研究に県が助成する「連携研究推進事業」で、本年度15件を採択したことが報告された。