『山形新聞』2008年6月12日付

「山形大食品MOTファンクラブ」設立 産学連携、商品づくり全過程支援


山形大と地元の食品関連企業などで構成する会員制の産学連携組織「山形大学食品MOTファンクラブ(YMF)」の設立総会が11日、山形市のホテルメトロポリタン山形で開かれた。「食農の匠(たくみ)」の育成を目指す同大大学院理工学研究科の「食品MOT(技術経営)」コースと連携し、基礎研究はもちろん、販売や宣伝まで商品づくりの全過程を支援する。

食品MOTコースは、生産技術からマーケティング・経営まで、総合的にマネジメントできる人材を育成する機関を目指し、同大大学院ものづくり技術経営学専攻の社会人コースとして昨年度開設した。国内最大級の市場データベースが安価で利用できるほか、ビジネスプラン作成講座などのメニューがあり、試作品などの加工、評価、検査をサポートする態勢も整えられている。YMFでは、これらの仕組みを地域企業に開放し、ビジネスに結び付けていく。

参加したのは、日東ベストやシベール、城北麺工、県など本県と福島県の正会員28団体。賛助会員として荘内銀行が加わった。会長に選出された日東ベストの鈴木俊幸会長は「工夫と知恵が必要な時代。学、産が結び付いて、大きな成果を挙げていきたい」とあいさつした。

本年度事業として、8月をめどにホームページを開設し、バイヤーやメディアなどに情報を発信するほか、大学講師による専門のコンサルティングを実施。必要に応じ、1万人規模の消費者モニター調査も乗り出すことにした。