『読売新聞』2008年6月10日付

大学病院への製薬会社からの寄付…「避けるべき」32%
一般教員意識調査


製薬企業から大学病院の医師に提供される寄付金などの資金について、「受け取るべきではない」と考える一般の大学教員が3割以上にのぼることが、筑波大産学リエゾン共同研究センターの新谷(しんや)由紀子講師らが行った意識調査で明らかになった。

調査は昨年9月、自然科学系学部・研究科がある大学から無作為に選んだ教員1000人と国立大学法人の経営協議会委員の外部識者592人に調査票を送り、計250人から回答を得た。

臨床研究で利害関係のある製薬企業からの未公開株の取得は「避けるべきだ」が57%を占めた。企業が主催する講演会での講演料などの受け取りも「避けるべきだ」(40%)が、「条件付きで認める」(36%)を上回った。

企業からの寄付金については「条件付きで認める」(45%)がトップだったが、次いで「大学の正式な手続きを経ていても避けるべきだ」(32%)という答えが多かった。大学に届け出る寄付金の基準は、「過去に1円以上あれば、すべて報告するべきだ」との回答が最も多かった。新谷講師は「企業からの資金提供について、一般の大学教員は、より厳しい倫理基準やルールを求めている」と話している。