『北國新聞』2008年6月10日付

「石川枠」全国から5人 金大医学類 一定期間、県内勤務が条件


金大医薬保健学域は九日までに、二〇〇九年度からの医学類の入試で、卒業後の一定期間、石川県の医療に貢献する意思のある受験生を対象とした「石川枠」を設ける方針を固めた。国の緊急医師確保対策を受けて増員となる入学定員五人分を充て、医学類の定員は百人となる。全国の優秀な学生を集め、県内の医療リーダーを養成する。

石川枠の入試は、金大医学類が〇九年度入試から後期日程を廃止して導入するセンター試験を課す推薦入試と併せて行う。石川枠で不合格となった場合でも推薦入試、一般入試を受験できる。石川枠入学者は「特待生」として県から修学資金の貸与を受け、卒業後は金大附属病院で研修する。その後は専門医認定などを目標に県内医療機関で数年間勤務することが条件となる。

緊急医師確保対策で国は、医師の不足や偏在を解消するため、〇九年度から九年間に限り毎年度に各都道府県で最大五人(北海道は十五人)の医学部定員増を認めていた。

石川枠について、県は中長期的な取り組みで優れた医師を育てる「石川モデル」としたい考えで、金大の金子周一医学類長は「大学が預かる限りは立派な医師を育てたい」と話した。