http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/pdf/080131_1_14.pdf

政委第3号
平成20年1月31日

国立大学法人評価委員会
委員長 野依 良治 殿

政策評価・独立行政法人評価委員会
委員長 大橋 洋治

平成18年度における国立大学法人及び大学共同利用機関法人の業務の実績に関する評価の結果についての意見

 当委員会は、平成19年10月5日付けをもって貴委員会から通知のあった「平成18年度に係る業務の実績に関する評価の結果について(通知)」に関して、別紙のとおり意見を取りまとめましたので、よろしくお取り計らい願います。


別紙

平成18年度における国立大学法人及び大学共同利用機関法人の業務の実績に関する評価の結果についての意見

平成18年度における国立大学法人及び大学共同利用機関法人の業務の実績に関する貴委員会の評価の結果(以下「評価結果という。」については、以下のとおり改善すべき点がみられた。

・ 各国立大学法人の中期目標の前文には、各国立大学の理念等である基本的な目標が記載されている。貴委員会は、各大学の基本的な目標の達成に向けた取組状況の評価に取り組んでいるが、その評価結果の説明には法人ごとに差異があり、大学の基本的な目標との関係においてどのような評価が行われたのか分かりにくいものもみられる。

今後の評価に当たっては、各国立大学法人の基本的な目標の達成に向けた取組状況について、引き続き積極的に評価を行うとともに、評価の結果を分かりやすく説明するよう工夫すべきである。

・ 貴委員会は、本年度評価より、研究費の不正使用の防止のための体制・ルール等の整備状況についての評価を行っているが、その後も一部の国立大学法人において公的研究費の不正使用が発覚している例があることなどを踏まえ、公的研究費の不正使用の防止のための取組状況について、引き続き評価を行うべきである。

・ 随意契約の適正化の一層の推進について、政府全体で取り組んでいることにかんがみ、一般競争入札の範囲の拡大、契約の見直し、契約に係る情報公開等についての取組状況について、引き続き評価を行うべきである。

・ 国立大学法人会計基準の実務上のガイドラインに当たる「「国立大学法人会計基準」及び「国立大学法人会計基準注解」に関する実務指針」の改定により、財務諸表において開示すべき国立大学附属病院(以下「附属病院」という。)のセグメント情報については、平成18年度から物件費について診療経費と一定の教育研究経費とが区分され、更に19年度からは教員人件費についても各教員の勤務実態に応じて附属病院と医(歯)学部との切り分けが行われることを踏まえ、今後の評価に当たっては、従来にも増して、一般診療部門における経営の効率化の進展状況、経営努力が十分に行われているかといった点に着目した評価を行うべきである。

・ 各附属病院において、国立大学病院管理会計システム(HOMAS)又はこれに類する会計システム(以下「HOMAS等」という。)が導入されたことにより、従前に比べて附属病院の経営に係る分析手法及びHOMAS等により得られる各種統計データが整備されつつある。こうしたことを踏まえ、今後の評価に当たっては、附属病院を置く各国立大学法人が、例えば、HOMAS等により得られたデータを基に他の附属病院との比較検討による経営分析を行うなど、各種統計データ等を活用して附属病院経営の効率化に向けて取り組んでいるかといった点に着目した評価を行うべきである。

・ 大学共同利用機関法人の「外部研究資金その他の自己収入の増加」の評価において、「競争的研究資金の増加を目指す」との年度計画に対して、申請件数の増加に関する取組及びその数のみを注目される取組として評価結果に取り上げている例があるが、今後は年度計画の達成状況を評価するという観点から、申請の結果についても確認し、併せて評価すべきである。

・ 大学共同利用機関法人の共同利用・共同研究の評価結果においては、共同利用・共同研究者数や国内外の大学・研究機関の参加実績数値が記載されているが、それに基づき、どのように評価したのかが分かりにくいことから、今後は、その数値を踏まえ、法人の設立目的に照らした適切な運営が行われているかについて評価を行うべきである。

・ 中期目標期間開始以降、大学共同利用機関の組織・業務の統合による事務の一元化の取組による業務の効率化が期待されているが、その取組状況について、できる限り定量的に評価を行うべきである。