『毎日新聞』広島版2008年6月3日付

シンポジウム:中国地方活性化へ産学官の連携策は 5国立大の学長ら出席


中国地方の産学官が地域の活性化のための連携策について話し合うシンポジウムが2日、南区のホテルグランヴィア広島であった。広島大や山口大など中国地方の主要大学の学長らが顔をそろえ、産業界との協力や地域貢献の在り方について意見を出し合った。5大学などの共催で、中国経済産業局の杉田定大局長がコーディネーターを務めた。

独立行政法人化以降、期待されている地域貢献について、広島大の浅原利正学長は「高いレベルの研究で貢献するには地域に介在するコーディネーターが必要だ」と指摘し、能勢隆之・鳥取大学長は「大学で特徴的なのは掘り起こしの基礎研究。地道に続け、産業に生かせられればうれしい」と抱負を語った。山口大の丸本卓哉学長は「敷居が高いという大学のイメージを払しょくしたい」と人材交流に積極姿勢を示し、本田雄一・島根大学長は「宍道湖や中海の水質保全を改善する研究にはナノテクなど企業の協力が必要」と訴えた。【井上梢】