『日本経済新聞』2008年6月4日付

群大など関東4国立大、2年後メド「共同大学院」


宇都宮大学、茨城大学、群馬大学、埼玉大学の4国立大学法人は2010年4月をメドに、複数の大学が対等な関係で連携する「共同大学院」の設置を目指す。それぞれの得意分野を生かし、地域に欠かせない専門知識を持った人材を育てる狙い。今年度から単位を完全に互換する連携コースを開設。IT(情報技術)専門家の育成に取り組み、将来は経済や医学分野に広げる方針だ。

3日にソフトウエアの開発設計を教える「人間創生情報学コース」を開講。4大学から計60人が受講した。来年度にはデータベースやWEBサービスなどの技術を教える「社会創生情報学コース」を開く。各大学の3、4人程度の教授が講義を担当。講座は4大学をインターネットで結び、同時中継する形で進める。遠隔授業による大学院の演習は珍しいという。

既存の連合大学院では年間で10単位しか互換できないが、今回は4大学院で同時に同じコースを用意して実況中継することで、どの大学の学生も自由に単位が認定される仕組みをつくった。システム構築などに文部科学省から合計で約3300万円の補助金を受けた。