『河北新報』2008年6月5日付

バンドン工科大と協定 エネルギー技術研究 東北大


東北大大学院環境科学研究科は4日、インドネシアのバンドン工科大と学術協定を結んだ。バンドン工科大にサテライトキャンパスを開いて教員を常駐させ、アジアのエネルギーの安全保障に関する教育に取り組む。

サテライトキャンパスには社会科学系教授と工学系准教授の計2人を置くほか、環境科学研究科の教員を1週間ずつ派遣して集中講義を行う。分野は地質、岩石力学、化学工学、流体工学など。

石油産出国と消費国の経済メカニズムや、エネルギーの安定供給技術を題材に、工学と社会科学の分野を融合して学際的な教育、研究を進める。
 定員はバンドン工科大大学院の修士課程2人、博士課程1人。東北大と同じカリキュラムを編成し学位も授与する。期間は2011年9月までで、講義は工科大の一般学生にも公開する。

修士課程の学生は6カ月間、東北大で学ぶ。石油資源開発(東京)の寄付講座として開設、授業料や渡航費、生活費は奨学金を支給する。

バンドン工科大で4日、調印式があり、井上明久総長と環境科学研究科の谷口尚司研究科長、土屋範芳教授らが出席した。土屋教授は「日本の教育の輸出と位置付けている。東北大の研究第一主義を現地に根付かせたい」と話している。

バンドン工科大は1959年に開学した理工系の国立大で、1万数千人が学ぶ。前身はオランダ植民地政府が20年に設立したバンドン工業高等学校。