『毎日新聞』岩手版2008年6月5日付

岩手大:新学長・藤井氏が抱負 「他者思いやる人材育成を」


岩手大学の平山健一学長(66)が4日に退任し、前農学部長の藤井克己教授(55)が5日、新学長に就任する。4日開かれた会見で平山氏は「地域と大学の一体感を持てるようになった」と6年間の成果を振り返った。藤井新学長は「共生の時代のパートナーとして地域とともに歩みたい」と抱負を述べた。

平山氏は02年6月に就任。04年4月の国立大学の法人化後、初の学長として、教員組織の再編や産学官連携の基盤を整備してきた。「教員の意識が進み、県内製造業の活性化に貢献できた」と語った。

藤井新学長は「都市と地方、世代間など格差が広がる時代、他者を思いやる21世紀型の人材を育てたい」と教養教育の再構築を重点課題に挙げた。研究面では、優れた研究拠点に予算が重点配分される文部科学省の「グローバルCOE」の来年度採択を目指すと述べた。【山口圭一】