『日本経済新聞』2008年5月23日付

技術移転組織を共同設立・静大など県内4大学が10月


静岡大学など県内4大学は10月、企業向けに特許のライセンス供与を手掛ける新たな技術移転機関を共同で設立する。各大学が技術移転の専門家を派遣し、人材や資金を集約。県内大学の知的財産の活用や企業との共同研究の活性化につなげる。当面は4大学で運営するが、県内の他大学や研究機関にも参加を呼び掛け、県全体で知財活用の拠点とする考え。

新組織名は「静岡TTO」。静岡大のほか、静岡県立大学、浜松医科大学、静岡理工科大学が参加する。企業への特許ライセンス供与など知財活用で先行する静岡大がTTOにノウハウを提供し、各大学も人員を派遣。共同で企業に技術を売り込み、各大学の特許料収入や産学連携の拡大を狙う。

浜松科学技術研究振興会が2002年に設立した技術移転機関「静岡TLOやらまいか」(通称STLO)は、大学に代わって特許出願や企業への技術移転を手掛けてきた。しかし06年に経済産業省が補助金を打ち切り、収入は大幅に減少。07年度は赤字となり、存続が危ぶまれていた。