『毎日新聞』山形版2008年5月21日付

山形大:未来基金、目標10億円 達成は166年後?


◇開始2カ月で集まった額は100万円程度

目標達成は166年後?−−。山形大学が今年度始めた「山形大学未来基金」で、結城章夫学長は20日の会見で「(大学OBなどから募る)寄付金の目標額は10億円」との構想を掲げた。だが開始約2カ月で集まった額は「100万円を超す程度」(結城学長)。このペースなら目標達成は2000カ月=約166年後になる計算だ。

基金は山形大独自の返還不要の奨学金の財源として創設。大学OBや在校生の親、県内企業などに1口1000円以上で寄付を募っている。

しかし、3月上旬から5月下旬にかけ集まった金額は約100万円。制度発足から2カ月以上過ぎた5月20日現在も、大学ホームページのトップページには、寄付呼び掛けの文言すら載っていない。

結城学長は「10億円あれば、年間1000万円の利息だけで奨学制度を回せる。目標達成は、5年かかるか10年かかるか分からないが、広く薄く集めたい」と意欲的だが、実現には余程の営業努力が求められそうだ。

奨学金は年間720万円必要で、当面は学長予算から出す。【大久保渉】