『毎日新聞』岡山版2008年5月14日付

医療連携:岡山市、岡大と初会合 市民病院問題触れず


岡山市は13日、岡山大との医療連携に関する委員会を開き、今後の協議内容などを確認した。2月に岡大との連携や独立行政法人化で、岡山市民病院を“新病院”化する方針を打ち出した「あり方検討専門会議」の提言を受けた会合だったが、出席した同病院関係者からは「市民病院への言及がなかった」など不満も漏れた。

委員会会長を務める岡山大の千葉喬三学長は「大学は先端研究だけでなく、医療で地域貢献をしなければならない。市と連携することには意義がある」と述べ、高谷茂男市長が「少子高齢化で医療をどうするかなど、岡山大と連携してこれからの医療のあり方を考えたい」と応じた。

出席した市幹部、大学関係者が「医師教育の連携」や「最適な地域医療のあり方」などの協議事項を確認した。委員会には岡山市民病院長らも委員として出席した。同病院は老朽化による建て替えなどが問題となっているが、市民病院に直接かかわる議論はほとんどなく、関係者からは「発端は病院の建て替え問題のはず。実質的には市民病院の改革を話し合うのに、具体論がほとんどなかった」などの声も聞かれた。

また、あり方検討専門会議メンバーの医師3人が「医療現場の意見が反映されていない」として同会議がまとめた報告書から氏名を削除するよう求めていた問題で、市はホームページに3人を含む医療関係者の意見を掲載した。【石戸諭】