『毎日新聞』2008年5月9日付夕刊

教育費:10年間でGDP5% 文科相が要求へ


渡海紀三朗文部科学相は9日午前、東京都内で開かれた文相・文科相経験者との会合で、教育関連予算を対国内総生産(GDP)比で現在の3・5%から、10年間で5・0%への引き上げを求めていく方針を表明した。今後5年間の政府の教育方針を示す「教育振興基本計画」に数値目標を盛り込む。

同計画は改正教育基本法で策定を義務づけられ、中央教育審議会が4月18日に答申を提出したが、渡海文科相は「もう1回書き直して、各省と折衝したい」と見直しを指示する考えを明らかにした。

会合は自民党政調の文部科学部会が主催。森喜朗元首相は「(同計画は)教育予算を取るためのものだが、そうなっていない」と批判し、数値目標の明記を求めた。渡海文科相が表明した方針は、教育支出を経済協力開発機構(OECD)諸国平均の対GDP比5・0%並みに引き上げるというもの。同計画は5月中旬に閣議決定する予定だったが、見直し指示を受けてずれこみそうだ。【仙石恭】