『信濃毎日新聞』2008年5月3日付

信大がベトナムの2大学と学術交流協定結ぶ


信大(本部・松本市)は2日、ベトナムのハノイ工科大、FPT大のそれぞれと大学間学術交流協定を結んだと発表した。博士号取得を目指す理系の大学院留学生をより多く受け入れ、大学の研究開発力強化につなげる狙い。大学院修了者の専門知識を日本企業で生かしてもらうため、現地に子会社を持つ企業と人材育成の共同研究も始める。

信大がベトナムの大学と協定を結ぶのは初めて。ハノイ工科大は、14学部を持つ国立の総合大学。FPT大は、ベトナムの大手IT企業が2006年に設立した単科大。小宮山淳学長が4月下旬に両大学を訪れ、締結した。

信大によると近年、中国人留学生が減る傾向にある一方、ベトナム人は増加。ベトナム国内の高等教育機関整備が不十分なため、博士号を持つ短大・大学教員は15%程度にとどまり、大学院進学希望者は多いという。協定で学生や教員の交流、学術協力を進め、最長1年の交換留学制度も早ければ10月に始める。

人材育成は、ハノイ市に子会社を持つソフトウエア開発のアヴァシス(上田市)などと共同で取り組む。企業から奨学金を受けた留学生が日本で就職し、将来的に現地子会社の幹部として働けるような仕組みを研究する計画だ。

信大は今後、ベトナム国家大ハノイ校とも協定を結ぶ予定。野村彰夫理事は会見で「日本に関心を持つ若者は多い。優秀な学生を確保したい」と話した。

信大が海外の大学と協定を結ぶのは学部間協定も含め66例目。