『西日本新聞』2008年4月29日付

FFG、大学と連携強化 共同研究 寄付講座 融資拡大 九州大、長崎大、熊本大と協定


ふくおかフィナンシャルグループ(FG、福岡市)は28日、傘下行の地盤に拠点を置く九州大、長崎大、熊本大と産学連携協定を締結した。九大との連携強化では、福岡県内の商店街の活性化に向けた共同研究を進め、ふくおかFGの寄付講座として海外企業の合併・買収などを学べる「アジア財務戦略講座」を設けることなどが特徴。ふくおかFGは「大学、企業、行政の間に立ちながら、効果的に企業や産業育成を進めたい」としている。

ふくおかFGは昨年2月に九大と連携協定を締結。この間、傘下の福岡銀行の取引先が抱える技術開発の課題解決に向け、九大教員を仲介した事例が9件あるほか、ベンチャー企業への融資などを行ってきた。

今回は、さらに発展させた「組織対応型連携」との位置付けで、商店街再生をはじめ、キャンパス内で実証試験中のICカードの応用などでも協力し合う。九大が民間金融機関と同連携を結ぶのは初めて。寄付講座では、ノウハウのビジネス活用を教える「研究・技術経営(MOT)論講座」も本年度下期から開設するとしている。

福銀はこのほか、福岡市の六本松キャンパスの移転資金として、九大に対し、昨年10月、123億円の融資枠を設定した。

長崎大、熊本大との連携についても、傘下行を窓口に、取引先の技術・開発相談に応じたり、ベンチャー企業に融資したりするという。